平成初期ごろからそのデザイン性・防風性の高さなどから、多用され始めた陶器平板瓦、一説には50年以上の耐久性もあると言われていましたが、本当にそうなんでしょうか?
対策別リフォーム(瓦の選定)
写真は平成8年に施工された陶器瓦です。わずか22年でその表面の釉薬は劣化しざらざらに(注:内部まで劣化・割れたりしたわけではありません)。左側の重なり部は元の状態(黒)を保っています。酸性雨等環境の変化やその土地の気象条件も影響するのでしょうが、高いコストを投じた建て主さんはがっかりされたそうです。
余談ですが、日本には二十数か所の瓦の産地があり、中でも三大産地と呼ばれる地域がありますが、写真の瓦はその一つ三州産(愛知県西部)の陶器瓦でした。(このほか淡路産(兵庫県淡路島)と石州産(島根県西部)が有ります)
半世紀持つと言われたのに失望された建て主さんは、耐久性等色々研究され石州瓦に葺替えされることになりましたが、はたしてどうなるのでしょうかね。建築に携わる者としては無責任な事を言いますが、この世に半永久というものは無いのかもしれませんね。
そこで研究の為、小生は三州産と淡路産と石州産の同程度の瓦を並べて比較検討を始めました。(20年後にまた報告しますw)
対策別リフォーム(屋根工事の裏話し)
建築関係者の先輩からよく聞かされた事の一つに「銅板は緑青帯びるので長く持つ」と、ところが先程の陶器瓦同様ピンポイントで滴る雨を受け続けたこの谷板金は、ご覧の通りのぽっかり穴開き!これまたあまり長持ちしないようです。
近年の屋根屋さんに曰く、電食や金属疲労に銅板は弱いので、カラーステンレス鋼板(厚さ0.35~0.4mm)をよく使うとのこと。谷板金には銅板葺!の定説はもはや違うのかも?
先ほどの石州産に葺き替えられた建て主さんも、ステンレス鋼板を使われました。
既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!