塀やフェンスの倒壊の危険性

 

  台風や地震による塀やフェンスの倒壊によって人命に係わるような大事故を少しでも減らすには?

  

ブロック塀の危険性。

インスペクション 耐震診断 福岡
住まいの健康診断 塀の倒壊

 毎年のように台風(大雨)や地震等の自然災害によって、尊い人命が失われています。2005年の3月20日に発生した福岡西方沖地震では建物の倒壊ではなくブロック塀による事故で尊い人命が失われました。アルミフェンス等の軽量な塀に比べ、重量のあるコンクリートブロックは地震に弱いのです。これを受け福岡でもブロック塀に関心が向けられるようになり、行政側も指導や改修工事に補助(諸条件有)を出すようにもなりました。

 ブロック塀を所有されている方は心配でしょうが、新たに塀(行政指導の基準を満たした)を造り直すのも負担が大きいですね。そこで今回は補強によって倒壊の危険性を少しでも減らす工夫をご紹介します。

ブロック塀の補強例。

インスペクション 耐震診断 福岡
住まいの健康診断 塀の倒壊防止

 これは東海地方のある自治体の防災センターの展示ですが鋼材を利用してブロック塀自体の補強と倒壊防止狙った補強方法です。

ブロック塀の補強例。

インスペクション 耐震診断 福岡
住まいの健康診断 ブロック塀の補強

 ブロック塀にはブロック塀を用いた補強方法(写真は福岡県内の補強実例)もあります。この場合、既存の塀に鉄筋が入っているなら鉄筋センサーでその位置を探し出し補強ブロック控壁の鉄筋と定着又は溶接させることが大事です。またこの控え壁は3,4m毎に設置することが条例で定められています。さらにその基礎の根入れ深さを300以上(L型基礎にするならば120以上)とするなどの規定もあります。

ブロック塀の補強例。

インスペクション 耐震診断 福岡
住まいの健康診断 ブロック塀の補強

 ブロック塀は高さ6段まで縦横筋は最低2枚おき、厚さは鉄筋のかぶり厚の関係上最低120以上と指導があります。ここでブロックの基本サイズは横400縦200ですから写真の横筋は400ピッチで入れていく必要があります。写真では見え難いですが既存ブロック横筋に補強筋をフック掛けしモルタル充填して控え壁を積んで(4段)補強完了とまります。

ブロック塀に代わる塀。

インスペクション 耐震診断 福岡
大分県森林組合連合会さん資料

 最後に、その耐震性能からブロック塀等との代替として「木塀」が注目を浴びるようになり、ここ九州は大分県(他県でも推進有)でも既存の塀に代替される県産材を活用した安全で安心な「木塀」を作成・推進が図られています。この木塀も参考にされてはいかがでしょうか。


既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!