使わずの部屋に忍び寄る魔の手?(リフォームのこつ)

 

 子ども達が育った後の2階の勉強部屋。ほとんどのお宅は物置代わりにしていませんか?そうやって使わずまま長期間放置すると白蟻の被害にあうかもしれませんよ。

 

時には人に診てもらうのも大切?インスペクションで判明した使わずの間の白蟻被害。

インスペクション 耐震診断 福岡
リフォームのこつ 2階まで達する蟻害

 写真はあるお宅の使わなくなった2階の和室の畳を剥がした状況です。剥がした畳の上には書物で一杯の段ボール箱が障子の桟に寄せておいてありました。そうです、色の変わった部分はすべて白蟻の食べた跡なのです。

時には人に診てもらうのも大切?インスペクションで判明した使わずの間の白蟻被害。

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リフォームのこつ 2階まで達する蟻害

 剥がした畳も断面はご覧の通り。これは家白蟻という種による蟻害で水分を自ら地面から専用のトンネル(蟻道)を作って運び、2階までも食害します。さらに、人の出入りが無くなり静かになった子ども部屋等は彼らにとっては絶好のレストランと化すのです。

時には人に診てもらうのも大切?インスペクションで判明した使わずの間の白蟻被害。

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リフォームのこつ 2階まで達する蟻害

 もちろん2階に達する途中の天井裏の梁もご覧の通り。

この状態で大地震が発生すれば、元々は持ちこたえかもしれない建物も倒壊していたかもしれません。一刻も早く補強しなくてはなりませんね。

これは私の個人的な見解なのですが、白蟻はどの被害ヶ所も壊れる直前で食べるのをやめてよそに行ってるように思えてなりません。ひょっとして、彼らにはその限界点が判るのかも?

時には人に診てもらうのも大切?インスペクションで判明した使わずの間の白蟻被害。

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 詳細な調査(インスペクション+耐震診断)の結果、はっきりとした理由は不明ですが、なぜか国産材(桧や杉)を使った柱(間柱)や土台に被害はほとんどなく、梁材に使われた米松が集中的に食害されていることが判明(もちろん現場によっては国産の桧や杉も食害される例はあります、このお宅ではというはなしです)。よって、完璧ではないものの、まずは特殊な罠(脱皮阻害剤の餌をわざと食べさせて巣ごと殲滅)を仕掛け白蟻が居なくなったのを確認後(完全にいなくなるまでに約1年かかりました)、写真の様に部分的に天井を開口し被害にあった梁を片面又は両面から防蟻処理された2×10材で添梁補強(Ⅿ12ボルト併用)しました。

もし柱まで食害されていたらおそらく建て直しとなっていたでしょう。前回も書きましたが、年に一度は点検を!自分で出来ない場合はいえあーるまでご相談下さい。

既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!