耐震補強の事例(柱頭柱脚補強・耐震診断福岡)

 

 今回は壁の強度がある程度確保(既存筋交いなどの施工状態が良い)されている場合、最低限柱頭(柱と梁や桁)・柱脚(柱と土台)を補強するだけでも効果(既存壁の評点を上げる)がある方法のご紹介です。参考までに、以前私が所属していた会の動画もどうぞ。

 

耐震補強実例(柱頭柱脚の補強)

インスペクション 耐震診断 福岡
耐震補強実例 柱頭柱脚補強

  基礎補強編で軽く触れましたが、壁の耐力はその構成する両側の柱と梁や土台などの横架材との接合部の仕様によってもその値が変わってきます。N値計算という計算により、その壁を構成する両側の各柱と横架材間に生じる引き抜け力を計算します。その値をクリアする接合補強金物を設置すれば、その壁の耐力は向上するのです。一般的にはこの柱接合補強と壁補強はセットでおこないますが、壁補強まで必要ないと判断した場合、接合補強だけ行うこともあります。(写真:白囲み部が既存筋交いで赤囲み部が柱脚側補強金物です。)

耐震補強実例(柱頭柱脚の補強)

インスペクション 耐震診断 福岡
耐震補強実例 柱頭柱脚補強

 柱頭側の工事をする場合は、このように天井点検口を設けて行う場合がありますが、意匠上のこともあり押入内部の場合にはこの方法をよく使います。柱脚側と同様に計算結果に準じた金物(コーナー金物等)を設置します。

耐震補強実例(柱頭柱脚の補強)

インスペクション 耐震診断 福岡
耐震補強実例 柱頭柱脚補強

 柱脚側だけは作業領域確保の為、一部壁を破らないと補強できませんので、このような壁補修跡が残ります。先ほども述べたように意匠上の問題もあり、押入内部でかつ評点も上がり易い2階によくこの方法を用います。柱頭柱脚補強は割に新しい建物であれば、筋交いの施工状態や壁の留付け状態も比較的良いので、費用対効果としては良い方法といえます。

いかがでしょうか、これまで見てきただけでも耐震補強にはいろんな方法がありますね?次回もお楽しみに。

既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!