地震被害の事例(耐震診断の重要性)

 

 今回は実際に被災した住宅の破壊のメカニズムについてみていきましょう。

 

倒壊から守ってくれるはずの筋交いが充てにならない?

インスペクション 耐震診断 福岡
震災実例 筋交い破壊

  1階の出隅角に位置する耐力壁には非常に大きな力がかかります。これはその横加力に耐え切れず破断(面外座屈)した筋交いの写真です。圧縮方向の力に耐え切れず外壁サイディングを突き破って破断していますね。

 この状態になると、余震の大きさによっては倒壊の危険性が多いにあります。

倒壊から守ってくれるはずの筋交いが充てにならない?

インスペクション 耐震診断 福岡
震災事例 筋交い

 建物の破壊のメカニズムを研究する為、国(文部科学省管轄)は兵庫県に実大3次元破壊実験施設:E-ディフェンスをつくりました。

 住宅はもとより、中層であれば鉄筋コンクリートの建物も加振実験がおこなえます。この施設で2階建て木造住宅の加振実験が行われ、筋交いが破壊されるシーンが記録されましたので次にご紹介します。

倒壊から守ってくれるはずの筋交いが充てにならない?

インスペクション 耐震診断 福岡
震災実例 筋交い

 実験では1階右側の片筋交いが座屈破断するシーンがみれます。

最初の写真の住宅もこれと同じ破壊を起こしたものと考えられます。部屋の奥の内装下地の石膏ボードも地震に抵抗して破断しますが、最初の写真の赤囲み部(床の間らしい)の壁も抵抗の結果脱落していますね。どうやら筋交いだけでは大地震には対抗できないようです。ですから実際あなたが暮らしてらっしゃる建物が安全かどうか、耐震診断を受けられませんか?

既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!