冬のヒートショックの原因は足元の寒さ(血管の急激な収縮)にもその原因があります。その対策としての有効な床暖房には、特別な方式(空気循環や蓄熱)を除き大きく分けて、電気式と温水式(熱源は様々)による床面を直接温める方式がありますが、今回は温水式の仕組み等をみていきましょう。
リフォームで出来る床暖房、施工上の注意点
室内空気を汚染せず、気流による埃が舞い上がりにくい暖房といえば床暖房、その施工手順をみていきましょう。床暖房は室内側に熱を放射させるよう床下へ逃げる熱を極力遮断しなくてはなりません。本来であれば発泡系の断熱材で切れ目なく一枚板を構築したいところですが、今回はリフォームであることと、床高をあまり上げられない(それでも24㎜は上がるので和室の床とほぼ同じになる)という制限があり、写真は根太間に断熱材を施工しているところです。但し最低でもこの根太高さと同寸(写真は厚60)の材(写真はダウ化工のスタイロフォーム)は入れたいところです。なお、板形状の断熱材はそのコストや製法で性能も違ってきます、ご希望に合わせて選択・相談下さい。
リフォームで出来る床暖房、施工上の注意点
床暖房は輻射熱による暖房方式で、熱放射で天井面に熱が奪われるようでは効果が落ちます。そこで、天井にはグラスウール(嵩重量10㎏)であれば、最低でも厚さ100のものが欲しいところ。さらに開口部断熱('19/8/17付ブログ参照)は必須です。予算が許せば壁の断熱化もしたいところ。
温水式床暖房パネル
床断熱が終わると厚さ12の構造用合板で捨て張をします。そこへ床暖房パネル(一般的には厚12のアルミサンドイッチパネルの中に架橋ポリエチレンの温水パイプが内蔵)を必要な部分に敷いていきます。パネルを敷かない部分には、同じ厚さの構造合板を埋めフラットにします。
温水式床暖房パネル
各パネルは定尺物で各種サイズがありますので、部屋の大きさや形にあわせて、最も適当な組み合わせを選択します。各パネルには温水が循環する接続口(写真赤キャップ部)がありそれぞれをリレー形式で繋いでいきます。
漏水検査
パネルの敷設が済み配管の繋ぎ込みが完了した時点で、必ず漏水検査をします。
いよいよ床材張り
検査が合格したら、仕上げ材(床暖房対応品)を張ります。写真緑のラインにフロアネイルで留め(接着剤は使わない)ていきます。
床暖房はパート毎に運転可能
全ての工事が完了したらリモコンで試運転検査を実施し引渡しとなります。
床暖房は各部屋(部分ごとの暖房可能)制御可能でこのようなリモコンで操作します。
今回の事例では熱源がガス式温水床暖房でしたが、電気式に比べ多少のタイムラグはありますが、電磁波等の危険性のない安全な方式としてお勧めです。また能力も福岡程度であれば、真冬でも他の暖房器具は一切不要(むしろ暑いぐらい)のようです。
但し、初期費用やランニングコストの点では電気式に分があるようです。
いずれの方式にしてもメリットデメリットがありますが、頭寒足熱で健康的な床暖房、是非検討してみてはいかがでしょうか。
既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!