既存不適格事例(筋交い)

 

 新耐震基準制定以前の住宅の筋交いの端部の固定は、せいぜいカスガイ又は釘留めでした、当然最新の基準では不適格となります。その訳は?

 

昭和56年5月新耐震基準以前の筋交いの固定方法

インスペクション 耐震診断 福岡
既存不適格事例 筋交いの固定方法

 現在の筋交い端部固定は補強金物で筋交いと柱又は筋交い柱と横架材(梁や土台)とを専用の金物で一体化補強しなくてはなりませんが、旧基準(昭和56年5月以前)では写真のようにカスガイ又は釘(N90)留め程度で端部が固定されていました。地震波は押す波・引く波交互にやってきますが、この工法だと筋交いが圧縮(押す波)を受けた場合は多少抵抗しますが、端部が外れて構面外へはじき出されやすく、特に引っ張り(引く波)を受けた場合は簡単に抜けてしまい、筋交いの意味がない状態でした。

 

筋交いの引き抜け

インスペクション 耐震診断 福岡
既存不適格事例 筋交いの固定方法

 引き抜けの場合を絵にするとこんなイメージになります。引っ張りの場合は簡単に抜け、効果が低いことがお判り頂けますね。このように現在の耐震基準を満たしていない建物がまだまだ存在していますが、耐震補強によってこれらを改善することが過去のブログでもご紹介した通り可能ですので、是非ご相談下さい。

 

 

既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!