ゆとりの合言葉は「中古住宅購入」×「長寿命化リフォーム」
新築至上主義から一変、既存住宅をリフォームして長期利用するという考え方が定着しつつあります。高度経済成長期において「スクラップ&ビルド」を繰り返したフロー型社会から、世代を超えて長く大切に活用していくストック型社会への転換です。
個人資産である住宅を社会的資産と捉え、世代を超えて長く大切に使い続けていく姿勢が、社会全体を豊かなものにしていくという考え方が根底に流れています。具体的にはどのような変化が期待されているのでしょうか?
① 総住宅コストの低減 - 住宅費用を教育や老後資金に振り向ける効果があります。
「木造住宅の寿命はせいぜい30年」と言われていた過去の時代においては、30年毎の建て替えによって、その時々の最新仕様を享受するのが当たり前でした。90年というスパンで考えると、新築以後取壊し新築を30年ごとに繰り返すことになるので、計3回分の新築(立替え)費用が必要になります。一方、これから促進すべき「長寿命化リフォーム」の考え方は、新築後20年目に大きな費用を伴う長寿命化リフォームを施して、以降、適切な修繕やリフォームを重ね、同じく90年使っていくというものです。試算によると、90年間の総住宅コストは約3割削減できるとか。中古住宅の場合、新築費用は売主さん持ちなので、買主さんの生涯住宅コストは更に圧縮され、ゆとりも膨らむものと思われます。
② 資産価値の維持・向上 - 適切な維持管理とリフォーム投資によって、資産価値を向上させることもできます。
木造住宅の資産価値は、25年~30年と言われています。頑張って新築しても、住宅ローンが完済するころには「価値無し」と判断されることになるのです。では築後20年の中古住宅を購入し、長寿命化リフォームを施した場合はどうでしょう?新築当時から20年経っているのですから、今、同等のものを新築する価格に比べればはるかに安価なのでは?そこに「長寿命化リフォーム」という抜本的なリフォームを行うことで、住み心地と資産価値が向上することになるのです。その後も、適切な維持管理と必要なリフォーム投資により、住み心地の低下や資産価値の目減りを防ぐことも可能なのです。
③ 環境負荷への配慮 - 廃棄物の削減、CO2削減でエコに貢献
これは、想像しやすいと思います。手入れすればまだまだ使えそうな家を、30年経ったからという理由で取壊して新築すると言うのですから。廃棄物を処理する場合や建築材料を作るためにはCO2の発生がついて回ります。CO2削減でエコに貢献するためには、家に限らず、今あるものを長く大切に使う姿勢が大切です。
購入する中古住宅の選択さえ間違えなければ、長寿命化リフォームで豊かなくらしが手に入りそうですね。では、状態の良い中古住宅を選択するためにはどうすれば良いのでしょうか?
二次的インスペクションで本物のリフォームを計画しよう!
中古住宅の状況について調査を行うことを「インスペクション」と言います。広義的には新築物件が対象となる場合もありますが、目的は大きく違ってきます。新築物件の場合は、正しく施工されているか、約束通りの仕上がりになっているか、そのようなことを確かめるのが主な目的です。目指すゴールは100%の状態です。
かたや中古住宅のそれは、劣化や瑕疵の状況を確認して、どのように改善すべきか計画を練るために行います。つまり、最初から100%ではない状態が当たり前であり、そんな中でも、劣化や瑕疵の補修、性能向上等により、住環境と建物の改善が可能かどうか検討するのが最終的な目的です。インスペクションが目的ではありません。その先にある改修工事のために行う調査なのです。
インスペクションには三つの種類があります。まずは軽めの「一次的なインスペクション」。これは、目視や非破壊調査で、構造安全性や日常生活に支障があると考えられる劣化事象の有無を把握するために行われるものです。目視と非破壊調査が前提ですから、不具合が表面化していなければ劣化や瑕疵の発見は困難ですし、原因についても特定できません。
次に行われるのが「二次的なインスペクション」です。破壊検査(できない場合もあり)も含めて、劣化の生じている範囲や不具合の生じている原因等を特定するために行われます。不具合が既に表面化しており、その原因を突き止めるために行うインスペクションですから、その先には改修工事の実施が当然想定されています。リフォームを実施する前に行われる現地調査も、二次的インスペクションに値します。
最後の三つ目は「性能向上インスペクション」。こちらはリフォーム前後の住宅性能を把握するために行われるかなり精密なインスペクションであり、専門の住宅性能評価機関に依頼する必要があります。リフォーム後の性能を数値化したい場合や、特定の評価を得たい場合に利用するものです。
中古住宅を購入してリフォーム工事をするのが目的なら、二次的なインスペクションをお勧めします。不具合が表面化していなくても、積極的に劣化状況を確認して対処することで、建物の長寿命化が実現できるからです。買ったときは問題なさそうに見えたものの、入居後すぐに不具合が表面化してくることもあるかもしれません。問題の先送りは「百害あって一利なし」 問題の芽を先につぶすことで、これからの生活が安心して送れるようになるのですから、そっちの方がいいと思いませんか?
ただ、購入前の物件を破壊して検査することはできませんから、二次的インスペクションと言っても非破壊検査に留めます。状況から想定できる不具合をあぶり出すためには、知識と経験を併せ持つ建築士にインスペクションを依頼することが大切です。
中古住宅購入からリフォームまで、一貫したサポートがあれば安心!
中古住宅を購入してリフォームをする場合、全体的に計画するのが難しい面もあります。まず、購入対象が決まらないとリフォーム計画を立てることができません。なので、先に物件を探そうと皆さん動かれるのですが、買いたい物件が決まっても、リフォームにいくらかかるのかわからないので住宅ローンをどのくらい組めばいいのかわかりません。思いのほか状態が悪いかもしれないし、そもそも自分の思い描くリフォームはできるのだろうか?不安な気持ちが湧いてきます。
不動産取引はスピード勝負ですから、「買うの?買わないの?他にも買いたいって言ってる人がいるんだよね。どーすんの?」と急かされたりします。本当は、不動産取引に関与する仲介会社が建築的知見で話を進めてくれればいいのでしょうが、まだまだ両方の分野に精通した仲介会社は福岡には少ないようです。大手の場合、不動産と建築それぞれの部署があるケースもありますが、担当者が途中で代わる違和感は否めないかもしれません。
私たち「いえあーる」は、建築士事務所が本業の不動産仲介会社です。分業しているのではなく、私たちが両方携わります。買いたい物件はあなたが見つけていいのです。その物件を購入したとしてリフォームにどのくらい費用がかかりそうか、見積もることも可能です。正しい見積もりのためには調査・診断が欠かせませんが、インスペクションの資格も持ち合わせていますので、購入に値する物件か見極めることも可能ですし、適切な改善案を出すこともできます。私たちが仲介に携わることで、こちら側の希望を売主側に伝え、事前調査の協力をお願いすることもできるのです。
しかし、あなたが売主側の不動産仲介会社に直接お願いした場合はどうなるでしょう?快くスケジュール調整を買って出てくれるでしょうか?第三者的な調査・診断をしてくれるでしょうか?
中古住宅を購入し、リフォーム工事を完了させて入居するまでには、たくさんのハードルがあります。信頼できるパートナーに最初から最後まで任せられるって、これ以上の安心感はないと思いませんか?
信頼できるかどうかは相性次第。まずは無料相談を利用してみませんか?「お住まい相談室」の予約はこちらからどうぞ。→ お住まい相談室
本気でマイホーム購入を成功させたいなら、事前勉強が何よりも大切です!買主支援に特化した私たち「いえあーる」を是非お役立て下さい。