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防災【住宅の耐震診断例その5】

 

 前回のブログで耐震診断は現地調査前の事前情報収集が重要だとお話しましたが、その中で依頼主(施主様)へのヒアリングの重要性について解説します。

 

依頼主(施主)様へのヒアリング

 前回は耐震診断調査に入る前の事前情報入手の重要性をお話しましたが、診断士サイドで入手できない情報もあります。それが依頼主(施主)様からのヒアリングによる情報です。

 前回もお話しましたが、到着後いきなり調査を開始するのは良くありません。ではヒアリングでどんな事を確認するのか、大まかな内容7点を以下にまとめてみました。

①設計図書(契約図書)・建築確認や検査済証の確認により建築年月日や増築・改築の有無やその内容・範囲の確認によりスムーズな調査が行え、さらに事前に図面のコピーをご用意頂くと、診断時間の短縮にもつながります。図面を紛失されていても、診断は可能です。

②工事中の記録写真の確認。これは、図面に記載なき工事が行われた場合の確認になります。例えば断面図(矩計図:かなばかりず)には記載が無いのに、実際には基礎に鉄筋が入ってた等。

③建物の過去の被災・被害履歴の確認。地震・水害・台風・火災や蟻害・雨漏れによる腐朽等。

④新築時に地盤調査を実施している場合はその資料の確認。

⑤建築基準法並びに各法令の違反の有無確認。抵触していると補助金等が受けられない場合があります。たとえば建築確認を受けていない等。

⑥耐震改修の必要性が生じた場合、かけられる予算。

⑦不安点や気になっている事象、家族構成の変化予測やリフォーム希望、主に使用する居室の確認等。

以上を聞き取った上で、調査を開始することで的確な診断と補強提案ができるのです。結構プライベートな内容にまで聞き取りしますので、ご了解の上診断を依頼してください。今回はここまでです。

 

既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!