住宅建材の中でもっとも過酷な条件下にさらされる屋根瓦。とっても丈夫なはず?
寒割れ
これは屋根の棟部の瓦の劣化状況です。じつは今回は瓦が溶けたのではなく、寒割(カンワレ)れという原因で割れたのです。もともと粘土からできている瓦、表面には釉薬がかかってますが裏面は素焼き状態のままです。ここに水が停滞するとその水分を瓦が吸収し、その水が冬場の気温低下で凍結~膨張することにより寒割れという現象が起きます。
破片が雨樋を詰まらせたり、雨漏れの原因になりかねませんので、このまま放置はできませんね。
寒割れ
この寒割れ現象、前の写真もそうですが瓦留めの為、シリコンを打ったヶ所の重なり部に水が停滞~吸収したためシリコン打設ヶ所に集中して寒割れが発生していました。また日中日差しがさしにくく溜まった水が乾燥し難い、北側面の屋根や水が集まり易い部分に集中して発生しているのも特徴となっています。
寒割れ
こちらはシリコンは打っていない箇所ですが、平瓦の流れ方向の重なり部もまた水が停滞し易い部分となっていますので、寒割れしています。
ここで水が集中するヶ所をなくすことも、冬場に日の当たらない屋根をなくすことも難しいことから、対策としては瓦の葺替えが必要となりますが、その際は寒割れに強い瓦の使用をお勧めします。石見地方の瓦(石州瓦)など、元々寒割れに強い地方の製品も検討の一つです。
既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!