【福岡発】コロナ禍だけど新築分譲マンションの購入を考えてみる?

不動産市況のみならず見通しがたたない現実…だったはずなのに。

昨春手にした不動産業界誌には「2020年の不動産市況の見通し」と題した解説が載っていました。「消費税増税後、オリンピック前後の不動産市場は依然注目の的です。オリンピック・パラリンピックが東京で開催されるということは、日本に明るい話題がもたらされ経済的な効果も高いことは間違いありません!」 

この記事はおそらくコロナ発生の数か月前に書かれた物なのでしょう。まさか新型コロナウィルスのパンデミックがこのタイミングで起こるなんて予想できませんもんね。その後の経過は皆さんご存知の通り。オリンピックの開催も危ぶまれる中、不動産市況どころか日本経済全体がどうなるか、誰にも予測できない状況に陥りました。

 

マンション市場の拡大は首都圏でも地方都市でも継続

景気がどうなるか誰にもわからないのは世の常です。が、今までの動きから今後の動向を予測するのもよくあること、コロナ前の昨年の記事によると…

首都圏においては、オリンピック開催を控え新築分譲マンションの価格が上昇し続けており、2019年は過去最高水準で分譲単価が推移したそうです。景気の時差がある地方都市における分譲マンション市場も依然として成長余地があるようで、特に福岡を含む地方四市(札幌、仙台、広島、福岡)においては、三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)に比較して更に高い地価上昇率が見て取れるとか。中心市街地に居住するというライフスタイルに魅力を感じる需要層も多く、こうしたトレンドは2020年以降もしばらく継続するものと見られていました。

そこへコロナ問題が発生!先行きが見えない中、大きな買い物はより慎重になるものだと思いきや、高値売買の傾向は依然として続いているようなのです。結果、予測通りのトレンドは未だ根強く、首都圏の新築マンションの平均価格は4000万円~5000万円で高止まり状態にあります。福岡では一部のマンションに見られる現象でしょうが、さすが東京!すべてが集まり相乗効果で高まっていく構図がここにもあるようです。

背景として考えられるのは、共働き世帯が増加したことで近隣環境よりも利便性に重きを置く人が増えたこと、それを受けて、駅近物件の人気が高まっていること、そして材料費や人件費が高騰していることなどが挙げられます。コロナの影響も多少あるかも?ステイホームの期間中、家族や家のことを考える場面が増え、より前向きにマイホーム購入を検討する人が増えたのかもしれません。

 

価格の上昇で購入意欲も高まっている?

物の値段が高いと購入意欲を削がれそうな気がしますが、政策が穴埋めや後押しをしている側面もあり、元々購入を希望していた層にとっては、逆に追い風になっているようです。

風の一つは、何といっても住宅ローンの金利の低さです。過去を振り返ってみれば、変動金利はここ10年間低水準が続いています。「下がりきったからいつかは上がる!」と言われ続けて10年です。フラット35を利用した堅実派の人達は、ちょっと複雑な心境かもしれませんね。

もう一つの風は、税の優遇です。年末ローン残高の1%を税額控除(所得控除ではなく税額控除ですからね!恩恵はかなり大きいです。)する住宅ローン減税が広く知れ渡り、所得税や住民税を取り戻すという発想から、高額の住宅ローンを組むことに抵抗がない人もいるほどです。

 

真の価値はどこにあるのか?

駅近で利便性の高いマンションには中古物件も少なからずあるとは思うのですが、新築マンションに比べるとどうしても価値が低いように感じるのか、新築マンションに走る人が多いようです。新しいということはそれだけで安心なのかもしれませんが、新しいという価値は年数が経てば減っていくことも忘れてはいけません。

価値を見出す基準は人それぞれですから本当は一概に言えることではないのかもしれませんが、大多数の人が価値を認める物件は、値崩れする可能性が低くなります。古くなれば一般的に価格は下がる傾向にありますが、不動産の価格は需要と供給に左右されるものなので、立地が良ければ古くても高値で取引されることは十分に考えられます。

そう考えると、中古マンションでも価値ある物はたくさんあるはずです。自分のライフスタイルにぴったりで、無理なく住宅ローンの返済が持続できる、そんな物件を、冷静に探すことも大切だと思いますがどうでしょうか? 何といっても、新築分譲マンションはかなりお高いですからね。

 

分譲マンションの折込チラシにはカラクリがあるのだ

先日、とある分譲マンションのチラシを目にする機会がありました。まず目についたのは、毎月かかる住居費の合計です。住宅ローンの返済と管理費や積立修繕費を合わせても6万を切っています。「家賃と比べてみて下さい!」と言わんばかり…。

でも、この安さ、というか、表面上の金額にはからくりがあるのです。

まず、住宅ローンの設定です。適用される変動金利は0.6%、返済期間は40年です。この住宅ローンを組むことが前提になります。返済期間が長くなれば毎月の返済額は抑えられますが、実際のところ、返済期間40年というのは現実的でしょうか?また、金利の低さも返済額を抑える効果がありますが、変動金利である以上、40年間上がらないとは言い切れませんし、この低金利も当初数年間の優遇金利なのかもしれません。更にこの住宅ローンの設定をよく見ると、ボーナス払いが年2回併用されていて、ボーナス月には15万以上の更なる支払いが必要みたいですよ!

マンション特有の「管理費」と「修繕積立金」の設定も不自然です。管理費を1だとすると修繕積立金は0.5、逆ならわかりますが、これでは修繕が必要になった時に積立金が不足しているかもしれません。というか、この手法は分譲マンションでは当たり前、数年後に規約改正をして修繕積立金を増額するのを見越した金額設定になっているのです。

修繕積立金は管理組合(住人)の資産ですが、管理費は提携した管理会社の収入に直結します。住人からすると戻って来ない経費です。どんな管理にいくらかかるのかわからない状態でも、この管理費を支払う義務を負わされるのです。

 

よく考えた末の決断なら応援します。でも…

どうですか?? これらの手法はマンション業者の常套手段、家賃より安く見せる為の苦肉の策なのです。よくよく考えて判断したのなら、「自分の決断に自信を持って前進してください!」と私たちも応援しますが、カラクリを知ることで迷いが生じるなら、ちょっと立ち止まってみるのも大切かもしれませんよ。

本当にその物件が欲しければ、思い切って購入することは正しい選択なのかもしれません。でも、新築物件となるとマンションでも戸建てでもかなり高額になります。特にマンションは、住宅ローンを完済した後も管理費や積立修繕金という住居費が毎月かかるものです。

新型コロナウィルスの影響で、働き方や家族との時間共有の仕方に変化が生じた人も多いことでしょう。快適な住まいの確保は、生活を安定させるために最も重要な事柄の一つです。これからの社会情勢に目を向けながら、日本経済がどうなっていくのか、そして自分の将来にどのように影響してくるのか、住宅ローンの返済と将来を見通した資金計画をしっかり練って、購入を決断することが大切です。

 

本気でマイホーム購入を成功させたいなら、事前勉強が何よりも大切です!買主支援に特化した私たち「いえあーる」を是非お役立て下さい。

(「家を買う方法、間違ってないですか?」を読んでみる。)