これから本格的な梅雨に入り、例年のごとく大雨が予想され河川の氾濫や土砂災害への警戒を怠るわけにはいきませんね。ただ、大雨で警戒すべきは身近にもあるのでは?
大雨の影響が我が家にも?
とある住宅の敷地境界兼土留めのブロック積塀写真です。ひな壇式に述べ10段、高さにして2mのこの土留めブロック、一見安全そうに見えますが経年劣化による内部鉄筋の腐食等で大雨による地中水圧増加や加圧状態で地震が来れば崩壊の危険性があります。崩壊すれば物理的に高い方から低い方に崩れますので、この場合手前の隣家に被害が及びます。
対策は?
県の条例でもブロック積擁壁の基準が定められており、この場合は明らかに違反(造成当時は規定がなかった可能性有り)していましたので、現在では安全な構造の物に置き換える必要がありました。そこでこの現場では工期短縮のため既製コンクリート擁壁の連壁が採用されました。写真は既存ブロックを撤去したあとの土留め処置状態です。
擁壁据付
2m巾の既製コンクリート擁壁をボルトで繋いで連壁を造っていきます。
PC板
規定により土留め高さが1m以下になるとブロック積擁壁でも構わないのでそこまではPC板で擁壁を構築し作業は完了となります。
この擁壁低い方の地盤高さから2mを超える場合は工作物申請といって役所に確認許可(別途申請費用が必要)を取る必要もでてきますので留意ください。
裏側
運搬の関係からも巾2ⅿが一つの規格サイズになっています。それらを並べて擁壁を構成します。ジョイント部や水抜き穴には土砂が流れ出さないよう特殊なヤシガラ状の土粒子止めフィルターを施工します。また擁壁際には水抜きを良くする為、300巾程度砂利で透水層を造ります。
既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!