浴室(在来タイル張り)を囲う基礎表面に水染みが出ることがあります。水道管の漏水では?と心配ですが、その原因は何でしょうか。
浴室基礎の水染み

在来浴室の場合、基礎から水染みが発生(外部化粧モルタルのクラックに沿って水染みが発生)し、水道管の漏水ではないか?とよく相談を受けます。ところが、その原因は別にあることもあるようです。
床下側にも現象?

このような浴室の床下側の基礎を診てみると、写真のような白華現象がみられる場合があります。これは浴室の土間下にある程度の水が蓄えられていることを意味します。
漏水テスト

ではこの水はどこから来るのか消去法で探っていくと、必ずしも水道管(給湯管)からではないことが水道メーターから判ります。結局のところ浴室洗い場土間タイル目地の隙間等から洗い水が入り、土間タイルの下に長年蓄積したものなのです。
特にベタ基礎工法の場合は、地下水が抜け難く土間タイルの下はプール状態になっている場合もあります。
対策

対策としては新築時であれば写真のようにコンクリート打ち継ぎ面に止水板を入れ浴室下地で防水水抜き施工をすればよいのですが、残念ながら在来工法の場合は土間タイル下の水抜きは上手く出来ません。したがって改築工事時に下地に防水モルタルを施工し水抜きを取るか、いっそのことユニットバスに改築されることをお勧めします。いかがでしたか?水漏れしそううにないタイルですが、実は結構水を通すということを知っておいて下さい。
水抜き

参考までに浴室土間下に向かってドリルで穿孔(穴あけ)すると、ご欄の通り溜まった水が抜けてきます。このお宅の場合はこの穴から虫等が侵入しないようナイロン系繊維を詰めて水抜きとしてこの穴を残すこととなりました。
既存住宅には経年劣化による不具合がつきものです。でも、購入前のインスペクションで、状況がわからないという不安を解消することは可能ですよ!