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防災【簡易担架のつくり方】

 

 東南海を始め巨大地震の発生が危惧されています。万が一発生した場合、行政による共助は災害発生直後はほとんど期待できません。そんな中唯一可能なのは、地域住民による共助だけなのです。その共助にはある程度の防災用品の備えと知識、そして訓練が必要です。災害の発生は防げませんが、防災によって一人でも多くの命を守る為にも、知識の修得と訓練を地域単位で実施したいものです。今回は身の周りにあるものでつくる簡易担架のご紹介です。

©福岡県主催の防災士スキルアップ研修

 

手順その1(用意するもの)

防災 防災訓練
防災 簡易担架

 用意するものは厚手の毛布やタオルケットまたはシーツであれば2~3枚重ねて使います。次に災害現場であれば倒壊した家屋等から木材(可能なら4.5㎝角×2m程度)を2本用意します。

参考:写真の木材はホームセンター等で手に入る胴縁(4.5㎝角×2mの杉材で400円程度で手に入ります)

 用意ができたら、毛布の長手方向を横向きにし中心より少し左に1本目の木材を写真のように配置します。

 

手順その2

防災 防災訓練
防災 簡易担架

 次に棒の左側を写真のように山折りに返します。

 

 

 

手順その3

防災 防災訓練
防災 簡易担架

 続いて2本目の木材を先ほど折り返した毛布の端から20㎝程の所に置きます。

 

手順その4

防災 防災訓練
防災 簡易担架

 続いて2本目に置いた木材に巻くように毛布の端を折り返します。

手順その5

防災 防災訓練
防災 簡易担架

 最後に右端の余っている部分を木材の間に折り返せば簡易担架の完成です。この担架の構造原理は人を乗せる事で毛布や木材の摩擦力によって平面を確保するというもので、使用する木材も荒材の角材が理想てきです。以上が自力で移動できない被災者を、安全な場所まで最少人員の二人で運ぶことが可能な簡易担架の作成方法になります。

参考

防災 防災訓練
防災 簡易担架

 木材が手に入らない場合、簡単に入手可能な洗濯竿を利用する事も可能ですが、強度にやや難がある為、片側に2本使用するのがお勧めです。

図解

防災 防災訓練
防災 簡易担架

 以上の簡易担架作成の要約図を図上段に載せておきます。また、毛布等が手に入らない場合は丈夫な上着を図下段のように通して使うこともできます。Tシャツのように生地が伸びやすい物でも、何着も通すことによって強度が増します。いかがでしたか?このように知識が頭に入っていれば、とっさの時に落ち着いて必要かつ安全な行動がとれるようになります。また、地域の方々と訓練をしておくこともとても大切ですので、是非公民館単位で防災訓練を実施しましょう。

 既存住宅には経年劣化等による不具合がつきものですが、インスペクションによりその原因がはっきりし対策を講じることができます。