私は防災士の資格も有しており、地域防災役員も務めています。災害が発生しそう、或いは発生してしまった場合、防災士に求められるものはまず自分そして家族の安全の確保(自助)です。次に求められるのが地域防災活動(共助)です。災害が迫りくる状況の中または災害が発生してしまった場合は、一人でも多くの人命の安全確保・救助が求められます。今回は、その人命確保・救助の為に役に立つロープワークについてのお話しです。
©福岡県主催の防災士スキルアップ研修
巻き結び
災害救助時には早くて確実(緩まない)なロープワーク(結び方)が求められます。写真は対象物にロープの端を結びつける最も早くて確実な方法で、巻き結びと言われてます。ではその結び方の手順をみていきましょう。
手順その1
まずは対象物にロープの端を掛けます。今回巻き付ける相手は単管パイプ直径48.6㎜の場合ですが、この場合約60㎝程度向こう側に垂らします。
手順その2
続いて元綱にクロスさせるように巻きます。
手順その3
クロスさせた端を写真の位置(逆△の隙間)から抜き引き寄せます。
手順その4
そして、先ほど引き寄せた端を元綱の下に回し、Dの字になっている輪に通します。
手順その5
最後にロープの端と元綱をしっかり持ち締め上げます。ポイントとして写真のようにロープの端が一握りちょい出たぐらいで結ぶのが理想的とのことです。いかがでしたか?今回のロープワーク一つとっても前回お話しした簡易担架同様、災害が発生してからではとても実践できません。災害が発生する前の平時にこそ、是非備えと訓練をしておくことがとても大切なのです。
既存住宅には経年劣化等による不具合がつきものですが、インスペクションによりその原因がはっきりし対策を講じることができます。