災害の中で突然襲ってくる地震は予測が不可能で、事前非難ができません。よって発生するとほぼ全員が被災してしまいます。そしてその被害の中で最も多いのが、倒壊または倒れてきた家具等によって挟まれるという状態です。身体全体が挟まれてしまうと10分前後で圧死してしまいますし、手足等の身体の一部が部分的に挟まれた場合でも、時間が経てば毒素が身体全体に回ってやがて死を迎えることになります。防災の基本は自助ですが、この場合共助によって助け出すしかありません。今回は挟まれた被災者の救助方法についてのお話です。
©福岡県主催の防災士スキルアップ研修
安全確保
救助を行う場合まず第一に、要救助者のまわりの安全の確保が第一です。倒れてきそうなものがないかの確認や安全に救助作業が行えるよう空間の確保、次に近くで火災が起きている場合は消火を行います。ここで消火器と言えばABC消火器(15秒程度消火剤が噴出)が一般的ですがその使い方も練習しておくと良いでしょう。
操作手順としてはピノキオと覚えましょう
ピ→①消火器を持ち黄色いピンを抜く
ノ→②ノズルの先端をしっかり持ち火に向ける
キ→③適切な距離をとる(3~5m)
オ→④レバーを押す(握る)
救助
挟まれた被災者を助けるには、覆い被さっている物を持ち上げて隙間をつくるしかありません。その場合はテコの原理を用いてバールで持ち上げますが、ポイントは支点になる部分に木材等の急に破壊しない物を置く事です。また持ち上げる際には、身体の他の部分が挟まれていないかや、出来た空間(隙間)にその都度パッキンをかませることなどを心掛け、慎重に行いましょう。
参考:写真で使用した大バールはホームセンター(1万円前後)で手に入ります。
担架
隙間から助け出す際、意識があれば首や脊椎に損傷がないかを確認し慎重に引き出し(可能ならべニア板等を身体の下に差し込み、べニアを引っ張る)、身体の各所が宙ぶらりんにならないよう、なるべく多くの人で身体を支え担架に乗せましょう。
担架に乗せる位置
要救助者を担架に乗せる際、その意識の有無に関わらず用意できた担架が全身が載る十分な長さがない場合、必ず頭が飛び出さないよう載せることが大切です。
いかがでしたか、一家に1本バールの用意をされてはいかがでしょうか。
既存住宅には経年劣化等による不具合がつきものですが、インスペクションによりその原因がはっきりし対策を講じることができます。