最近蛇口の水の出が悪くなったと感じられたら、早めに点検を依頼しましょう。
水の出が悪くなる原因は様々ですが、近年の水道配管が樹脂管を使ってるのに対し古い住宅の水道配管は建設当時の行政指導(耐火性の観点から)もあり、鋼管を使用している場合がほとんどです。鋼管である以上当然錆びますが、その錆び(腐食)が原因で水の出が悪くなった一例とその対策をご紹介します。
原因特定
こちらはあるお宅の手洗い水栓に向かうの床下給水配管です。水の出が悪くなったと相談を受け、まずその床下配管を点検しているところです。
土間に錆び染みがついているので漏水もしているようです。
配管接続部
配管のアップです。上(室内側)に向かう配管の接続部材(エルボといいます)の下端に水滴が見てとれます。ここ辺りも別の意味で怪しそうです。
解体
確認の為、水を止めて配管を一旦ばらします。
結果その1
エルボ部分内部に詰まりはありませんでしたが、写真親指先端のメス側ねじ山の腐食による漏水が確認されました。
結果その2
次にソケットと呼ばれる部分の確認です。中央に見える直管が床下部分の配管で、これが写真左側の手洗水栓キャビネット内部の化粧配管につながっていたのですが、まさにこの接続部の詰まりが原因でした。中央の配管オス側ねじ山も完全に腐食しています。主材料が鉄である以上この腐食は防ぎようがありません。
拡大
こちらがその拡大写真です。ソケット内部がほぼ詰まっているのが判りますね。このように配管当時に防食処理(防食テープや防食ヘルメチック剤の塗布)、または切り口に防食パッキンや配管内部に樹脂ライニングを施された鋼管を使用しなければ、当然のようにこのような状況になります。
対策
既存住宅には経年劣化等による不具合がつきものですが、インスペクションによりその原因がはっきりし対策を講じることができます。