お部屋の拡張やペットの飼育部屋、そして洗濯物干場として人気のサンルーム(後設置型)ですが、簡易的な構造の為屋根からの雨漏れも多発しているようです。そこで今回はその原因と対策方法のお話しです。
雨漏れ原因

こちらはあるお宅のサンルーム。一般的に樹脂(アクリル板やポリカーボネイト板)板がその屋根材の主流となっています。よって温室効果的な性能があり洗濯物を干すのに最適ですが、簡易的な構造の為樹脂板の接合部の施工不良やパッキンの劣化(部材の切れや縮み)等が原因で雨漏れします。
対策

こちらが上から見たサンルーム屋根の樹脂板の接合部です。
この樹脂板自体は非常に耐久性は高いのですが、先程申し上げたようにその樹脂板どうしの接続部の止水パッキンの施工不良や劣化が原因で、雨水が侵入するのです。対策としてはジョイント部材の交換又は防水シール施工のどちらか一択となります。
防水シール

今回はサンルーム施工から日が浅くジョイント部からの雨漏れは1ヶ所だけであり、他の部分は止水パッキンがまだしっかりとしていると判断できた為、費用対効果の良い防水シールにて対策しました。写真はパッキン付きのジョイナー両側にシールを打っているところです。足場板をずらしながら流れ方向全てに施工します。
念のため

ジョイナー押さえビスにもゴムパッキンが付いており、このパッキンの劣化による漏水も将来的に懸念されますので、ビス頭にも念のためシールします。今回の漏水原因もこの押さえビスの締め付け不良によるパッキン隙間が主な原因では?と思われました。また今回は、念には念を入れ全てのジョイナーに防水シール施工しました。なお、このブログ投稿時点で約1年が経過してますが、その後の漏水の報告はありません。
参考まで

こちらはサンルームではありませんが、以前もご紹介した建物屋根(重い瓦屋根から軽量化し雨押え板金を新規に取直した例)と外壁(既存モルタルと新規モルタル部は防水対策済)との取合いですが、違う材料が接続される場所は雨漏れ原因となることが多いのです。この現場は雨新規の押え板金と新しく塗り足したモルタルのジョイント部から毛細管現象により雨水が侵入してきました。このように違う材料のジョイント部は雨漏れ原因となることが多いようです。こちらもシール防水(マスキングテープ間のダークグレーの部分)により対策した例です。
既存住宅には経年劣化等による不具合がつきものですが、インスペクションによりその原因がはっきりし対策を講じることができます。